はじめに
前回の記事「50歳以上女性専用・体を整えて安全に走る筋力トレーニング」では、足部の安定性やインソールの考え方、股関節・体幹の筋力トレーニングについて解説しました。
今回はその続編として、ご相談の多い「膝の内側の痛み」にテーマを絞って、もう少し掘り下げてお伝えします。
先日、当ジムに通われている50代女性の方から「週末ランニングをしているご主人が、膝の内側を痛めてしまった」というご相談をいただきました。整形外科では骨に大きな異常はないと言われたものの、走ると膝の内側に痛みが出るため、どう対応すればよいか悩まれている状況でした。
このようなケースは決して珍しくなく、特に週末ランナーや、これから運動習慣を作ろうとする方に多く見られます。
50歳を過ぎてからランニングやジョギングを始める方は増えていますが、その一方で膝の内側に違和感や痛みが出るケースも少なくありません。多くの場合「膝そのものの問題」と思われがちですが、実際には足や股関節、体の使い方が関係していることがあります。
膝の内側が痛くなりやすい方の特徴
膝の内側に負担が出やすい方には、いくつか共通する傾向があります。
- O脚気味で、着地の際に膝の内側へ負担が集中しやすい
- 足首が硬く、しゃがむ動きがしづらい
- 股関節の動きが小さい、またはお尻の筋肉がうまく使えていない
- 着地時に足の外側に体重が乗りやすい(オーバースピネーション)
これらは単独ではなく、いくつか重なって膝への負担を積み重ねているケースがほとんどです。
足首と膝の関係
足首の動きは、ランニングにおいて非常に重要です。
特に「しゃがむ動き」(専門的には足関節の背屈と呼ばれ、膝を曲げてしゃがみ込む際に足首が曲がる動きを指します)が制限されていると、着地時の衝撃を足首で十分に吸収できません。その結果、負担が膝や股関節へと流れ、膝が過剰に動きを補うようになって、内側にストレスが集中することがあります。
膝だけではなく、足首の機能を合わせて見ることが重要になるのは、こうした理由からです。
O脚と膝の内側の痛みの関係
O脚は見た目の問題として捉えられがちですが、実際には「動き方」の影響が大きく関係しています。
着地の瞬間にどこへ体重が乗るか、股関節がどれだけ使えているか、体幹が安定しているかによって、膝への負担は大きく変わります。
そのため、脚の形だけを見て原因を判断することはできません。
インソールの役割について
前回の記事でもお伝えした通り、私は以前インソールの個人代理店として、ランニング用(スポーツ用)と一般歩行用のインソールを扱っていた経験があります。
治療家や整形外科、海外の足専門医を招いた足部の勉強会にも参加し、足の構造やインソールの役割について学ぶ機会もありました。
なお現在はインソールの販売は行っておらず、足部の安定性や股関節・体幹の筋力を高めるフリーウェイトトレーニングの指導を中心に行っています。
その経験から感じているのは、インソールは足部の安定性をサポートする補助として役立つ場合がある一方で、それだけで全ての問題が解決するものではない、ということです。
着地時のブレを軽減し、膝や腰への負担をやわらげる役割はありますが、足首の硬さや股関節の機能、筋力や動作の癖までを変えることはできません。
※写真は代理店契約者・提携整骨院等を通じて入手できるインソールの一例です。一般に店頭で購入できるものではなく、特定商品の推奨を目的としたものでもありません。使用の要否は足の状態によって異なります。
また、外反母趾などで既にオーダーメイドのインソールを使用されている方もいらっしゃいますが、その場合も「インソールだけに頼る」のではなく、体の使い方と併せて考えることが大切です。
膝の痛みは膝だけの問題ではない
体は足だけ、膝だけで動いているわけではありません。足・膝・股関節・体幹は互いに影響し合って動いています。
これを運動連鎖と呼びます。
足の安定性が崩れると膝や股関節にも負担がかかります。
足首の動きが小さいこと、股関節の機能がうまく使えていないこと、お尻の筋肉が十分に働いていないこと。これらが重なると、結果として膝に負担が集中していきます。
そのため、どこか一箇所だけを見るのではなく、全体のバランスを見ることが大切になります。
安全に走り続けるための筋力トレーニング
膝への負担を減らすためには、まず足首や股関節の動きを整えることが重要です。
そのうえで、お尻の筋肉(大臀筋・中臀筋)や体幹を使えるようにしていくことで、着地の衝撃をうまく分散できるようになります。
前回の記事でもご紹介した通り、特におすすめなのは次のような種目です。
- **シングルレッグデッドリフト**:股関節を中心に使う片脚での動き。お尻や太もも裏(ハムストリングス)を使う感覚をつかむ基本の種目です。
- **ブルガリアンスクワット**:片脚に体重を乗せた状態でのスクワット。着地時に近い姿勢での股関節・膝の安定性を高めます。
- **体幹トレーニング**:着地の衝撃を骨盤や背骨で受け止められるよう、体幹の安定性を養います。
これらは、膝に頼らずに体を動かすための基礎になります。
いきなり強度の高いトレーニングを行うのではなく、まずは自分の足首や股関節がどれだけ動くかを確認するところから始めるのがおすすめです。
まとめ
50歳以上の女性ランナー、そしてそのご家族における膝の内側の痛みは、膝単体の問題とは限りません。
- 足首の硬さや股関節の動きなど、体全体の連動が関係していること
- インソールは補助として役立つ場合もあるが、それだけに頼らないこと
- 大臀筋・中臀筋・ハムストリングス・体幹を鍛え、股関節と体幹を安定させること
無理なく長くランニングを続けるためには、自分の体の使い方を知り、少しずつ整えていくことが重要になります。
前回の記事「50歳以上女性専用・体を整えて安全に走る筋力トレーニング」もあわせてご覧ください。
膝の痛みでお悩みの方、体の使い方を根本から見直したい方は、ぜひ一度ご相談ください。
世田谷区経堂
50歳以上女性専用パーソナルトレーニングジム みかとれ経堂
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